ユネスコスクールって?
UNESCO憲章とASPnetの役割
ユネスコスクール(ASPnet)は、ユネスコの精神を実現するための学校です。
※「ユネスコスクール」は日本国内の呼称です。
国際的な正式名称は「Associated Schools Project network(=ASPnet)」でこの表記が国際的に用いられています。
UNESCO憲章 前文
この憲章の当事国政府は、その国民に代って次のとおり宣言する。戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信をおこした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。ここに終りを告げた恐るべき大戦争は、人間の尊厳・平等・相互の尊重という民主主義の原理を否認し、これらの原理の代りに、無知と偏見を通じて人間と人種の不平等という教義をひろめることによって可能にされた戦争であった。 文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育とは、人間の尊厳に欠くことのできないものであり、且つすべての国民が相互の援助及び相互の関心の精神をもって果さなければならない神聖な義務である。 政府の政治的及び経済的取組みに基く平和は、世界の諸人民の、一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない。よって平和は、失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かなければならない。これらの理由によって、この憲章の当事国は、すべての人に教育の充分で平等な機会が与えられ、客観的真理が拘束を受けずに探究され、且つ、思想と知識が自由に交換されるべきことを信じて、その国民の間における伝達の方法を発展させ及び増加させること並びに相互に理解し及び相互の生活を一層真実に一層完全に知るためにこの伝達の方法を用いることに一致し及び決意している。その結果、当事国は、世界の諸人民の教育、科学及び文化上の関係を通じて、国際連合の設立の目的であり、且つその憲章が宣言している国際平和と人類の共通の福祉という目的を促進するために、ここに国際連合教育科学文化機関を創設する。
第1条 目的及び任務
- この機関の目的は、国際連合憲章が世界の諸人民に対して人種、性、言語又は宗教の差別なく確認している正義、法の支配、人権及び基本的自由に対する普遍的な尊重を助長するために教育、科学及び文化を通じて諸国民の間の協力を促進することによって、平和及び安全に貢献することである。略
UNESCO ASPnet校の具体的な役割
- 丁寧な教育 (学習環境・学習内容・学習方法・人権・安全など、「質ある教育」)をする。
- 平和、自由、公正と人間開発を追求する。
- 世界中で、若者と子どもの教育要求を満たすことに真剣に取り組む。
ASPnetが扱う「学習領域」
- World concerns and the role of the United Nations system
世界のつながりと国連の役割 - Education for Sustainable Development
持続可能な開発のための教育 - Peace and Human Rights
平和と人権 - Intercultural Learning
文化間の学びあい (以上UNESCO HP等より)
教育の4つの柱(Four Pillars)
- Learning to know:知ることを学ぶ
- Learning to do:為すことを学ぶ
- Learning to live together:共に生きることを学ぶ
- Learning to be:人として生きることを学ぶ
(以上ユネスコ「21世紀教育国際委員会」報告書)
ASPnetの歴史(国内/大阪)
21世紀を迎えた2001年、当時の日本の「ユネスコ協同学校」(国際名称はAssociated School Project network:ASPnet/現在の国内呼称は「ユネスコスクール」)は、事実上の休眠状態でした。一方、世界では166カ国6700校余りのユネスコ協同学校がユネスコ「国際教育」を推進しており、日本は教育の国際化から遅れていました。この国際的状況から、日本でも「第109回日本ユネスコ国内委員会(2001年7月18日)」において、「我が国のユネスコ事業への協力及び国内におけるユネスコ活動への取組みについて」の建議が出され、ユネスコ協同学校の再活性化策が講じられました。そして、同年にはASPnet先進国(フィリピンやタイ)への視察訪問団が派遣され、多くの理論的・実践的知見が導入されました。その後、これを契機に、1971年以来33年ぶりに大阪の3つの高校(国・府・私立)が新規にASPnet加盟を果たし(2004年)、行政単位を超えた地域及び国際ネットワークを形成して活動を開始されました。特にアジア5カ国ネットワーク(韓国・中国・タイ・フィリピン・日本)を形成した「学びあい」は、2002年度から始まった「総合的学習の時間」でデザインされ、人権、エネルギー、環境、共生、平和、などを共通テーマとして学習成果が各国間で交換されるなど、当時としては画期的なカリキュラムで実践されました。続いて2008年11月には、ESDをテーマとして、BSPの知見と共創的ディスカッション手法等を用いた「アジア・北欧7か国ESD高校生国際会議」(大阪)の開催や、ESD国際協力カリキュラムが協同開発されています。これらはUNESCO本部から“Good Practice”(2008年)“Best Practice”(2009年)に選定され、以後、ASPnetで求められてきた未来を築く問題解決型の国際交流が本格化しました。
大阪ASPnetの活動
2003年 | 大阪教育大学附属高校池田校舎・大阪府立北淀高校・羽衣学園高校(加盟順) 3校による最初のネットワーク「ASPnet大阪」を設立 |
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2004年 | アジア太平洋5カ国高校生学びあい交流会(その1) |
2005年 | 同交流会(その2) |
2006年 | アジア太平洋5カ国ASPnet教員会議(大阪) ※UNESCO Good Practice受賞 |
2007年 | バルト海プロジェクト(Baltic Sea Project) 調査(Sweden, Lithuania, Finland) |
2008年 | (04月)Baltic Sea Project 高校生国際会議に高校生参加 (Lithuania) (11月)「アジア・北欧7か国ESD高校生国際会議 」 (日本・韓国・中国・タイ・フィリピン・スウェーデン・リトアニア) ※UNESCO Good Practice受賞 |
2009年 | Baltic Sea Project高校生国際会議に招待される(Lithuania) 参加国:(リトアニア(主管国)、ドイツ、ポーランド、ロシア、ラトビア、エストニア、フィンランド、スウェーデン、デンマーク、日本) (11月)大阪ユネスコスクール(ASPnet)ネットワーク設立「大阪ASPnet」 - 小中高校の連携を開始 - |
2010年 | アジア太平洋5カ国高校生ESDカリキュラム協同開発(大阪) 文部科学省「国際協力イニシアチブ教育協力拠点形成事業」(受託機関は大阪大学)によるESD国際カリキュラム開発及びその国際協同実践を大阪ASPnet校(3校)が実施。 A評価を受ける。(日本3校教員及び卒業生・韓国高校1校・中国<高校1校及びカリキュラムセンター職員>・フィリピン<フィリピン教育大学>・タイ<高校2校>)開発及び協同実践を行った。 |
2011年 | アジア太平洋5カ国小中高大学生ESD 国際ワークショップ(大阪・能勢町) →(日本・韓国・中国・フィリピン・タイ) |
2012年 | 日韓中3か国ESD高校生フォーラム(世界大会に向けた準備) |
2013年 | アジア太平洋8か国ESD高校生フォーラム(世界大会に向けた準備) (日本・韓国・中国・タイ・ラオス・ベトナム・フィリピン・インドネシア) - 2014年開催予定のユネスコ世界大会の準備企画として運営は大阪ASPnet高校18校と岡山高校9校が参加 - |
2014年 | (11月)ユネスコスクール世界大会「高校生フォーラム」 大阪から18高校+岡山9校が文部科学省から依頼を受けて運営にあたる。 (5月~11月)同準備セミナー開催 (12月)日中(中日)小中高大学生ESD学びあい交流会(大阪) |
2015年 | (8月)ネパール支援企画「小中高校生による活動とこれからを考える」 (12月) 日中(中日)小中高校生ESD国際ワークショップ (7月~12月)同準備セミナー開催 |
2016年 | (8月) 熊本地震被災者支援学習会・連帯晴明 (9月) 熊本県のユネスコスクール等へ応援メッセージ送付 (12月)日韓中ESD-GAP小中高校生国際ワークショップ (7月~12月)同準備セミナー全4回開催 |
2017年 | (7月~12月)「若者世代によるESD実践臨場研修」を予定 (12月)上記の一環として、日中ESD‐GAP推進ESD国際ワークショップ開催予定 |